時効

始業式の次の日。
大きな計画は実行された。

マスクをつけて学校に登校することである。

時期が時期だったから
「花粉症？」
とか聞かれる程度で、最初はどうってことなかった。

だが、梅雨に入った頃から周りの人は異変に気付いた。

「あいつ、何でマスクつけてるの？」

みんな、そんな疑問が出てきた。
私はこれを待っていた。


過去の記事で読んだ方はわかるだろう。私がマスクをしていることを。

もう時効だから言う。

マスクをしているのは深い意味がある。

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中学校に入学してしばらくたった頃だった。
うちの中学校は2つの小学校の生徒が入学してくる。

もちろん最初は衝突もあったりした。

でも、しばらくすると打ち解けて仲良くなっていた。
・・・かのように見えた。

私が一番嫌いだった表面上だけのつきあいが学年で蔓延していた。
仲良しグループとか言うわけのわからんテリトリーを作って、
グループ以外の人間は表面上だけのつきあい。
陰口で酷いことを言ってるやつばかりだった。

嫌気がさした。

そんなとき、私にある思いがでてきた。

私と仲良いやつも、もしかしたら―――



寒気がした。

私は自分で言うのも何だが、結構友達がいるほうだった。
でも、一方的に私が思っていただけかもしれない。


私は友達捜しを決行することにした。

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マスクをしたら変な奴と思われると思った。
案の定、三分の二ほどの人が、あまり会話をしなくなった。

本当の友達は、意外なほどに少なかった。


マスクをつけた理由。
本当の友人を捜すためだった。