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最高の友達




電話をした相手。
それは一番の親友のT君だった。

警察に捜索願が出され、
実質、指名手配されている状況だった。
とにかく怖くて、重圧感でいっぱいだった。
(本当に惨めで恥ずかしい話だが)

「もしもし、T君?」
「お、どうした、今どこだ!?」
(※T君には、家出する前に、事前に色々と話していた)

「・・・郡山」
「遠いな。自転車でか?」
「・・・うん。今日、学校どんな感じだった?」
「いやー、まぁ、普通だったけど」

その日のことを色々と聞き、話していった。
そして、私もその日一日でどんなことがあったのかを話した。

「へ~。大変だったな」
「まぁ、こんな遠いところまで来ちゃったしね~」
「で、これからどうするんだ?」
「・・・・その話なんだけどさ」

私は一呼吸置いてから言った。

「明日、宇都宮で警察に行くわ」
「宇都宮!?なんで?」
「いや~、餃子でも食って帰ろうかと思って」

そのときにはまだ、ジョークを言えたのが、自分んでも驚きだ。

「なんだよそれ」
「うん。本当に悪いけどさ、これ以上は迷惑かけられないから」
「だよな~。やっぱり、まだ早かったんだって。中学生だし」
「そういう問題かい(笑)まぁ、色々と幼い面もあったしね」

T君と話をして、凄く気持ちが楽になったのを覚えている。
T君は、もう友達なんて存在ではない。言葉で表せないくらい、信頼できる人だ。

「じゃあ、ごめん。今夜は野宿だ」
「野宿か・・・。まぁ、がんばれよ!」
「うん。じゃあ、また会える日まで」


電話を切った。

7月とはいえ、東北の夜はまだ寒い。
足先や手の先の感覚が鈍くなっていた。

空は曇っていたが、雲の切れ目に大きな満月が出ていたのを覚えている。

これから一晩、どうなるのだろう。
人気もないから、大丈夫とは思うけど・・・・。



不安の中、目を閉じた。

耳にイアフォンを入れ、WALKMANで曲を聴く。
尾崎豊の「卒業」が流れていた。

この支配からの卒業・・・・・。



そうか。今の自分は自由なのか。
誰にも縛られてない。何でもできる・・・。


心配を掛けているとは知っていたが、何となく、そう考えた。


車のエンジン音だけが、遠くから聞こえていた。





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友人がいる喜び。


友人がいるから。私は学校に行ける。
友人がいるから。私は笑顔でいられる。
友人がいるから。今日という日がある。
友人がいるから。喜怒哀楽がある。
友人がいるから。今の日常がある。

友人がいるから。私は今、生きている。
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しゅーへー

Author:しゅーへー
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東北地方の田舎在住。
将来の夢:声を使ったお仕事
1997年9月20日生まれO型。

某県立高校1年1組。
部活は演劇部。

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