車窓。
7月3日。栃木県、黒磯駅。
日は段々と高い場所に昇ってきて、あたりを照らしていた。
日光が自分に対してのスポットライトのように感じられた。
まるで、自分一人の世界だと、感じていた。
昼間に、こんなに大荷物を抱えた、
中学生か高校生にしか見えない私、少年を、
周りの大人は気に掛けてはいなかった。
童顔の大人かと思っていたのか、
それとも、声を掛けるに至らなかったか。
未だに分からないが、それが私の孤独感をより一層大きくしていった。
不審がらないのは、当たり前にも感じられるが。
私は学校を休んでも、私がこんなに遠くまで来ても。
世界はそれでも回っていた。
JR宇都宮線に乗る。
車内には平日の昼間のせいか、
座席に座る数えられるくらいの客しかいなかった。
車内では、いろいろなことを考えていたように思う。
そこで考えたことの八割くらいが、これからどうするかという考えだった気がする。
今になって、思い出すことはほとんどないが。
宇都宮駅に到着し、さらに乗り換える。
ただ、南へ、東京へと向かっていた。
大宮駅でまた乗り換える。
電車には、正午でも大勢の客が乗っていた。
それが私を東京にいると実感させてくれた。
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目覚めたとき。
朝、目が覚めて。
一日が始まるという実感が湧くのは、どれだけ幸せなことか。
今まで憂鬱に感じていたが、生きていることがどれだけ幸せなのか。
生きていることは素晴らしい。
そう、誇りに思えていることも奇跡だと思う。
だから私は今日も目覚める。