吉祥寺。
『吉祥寺ー、吉祥寺ー』
電車に乗って、吉祥寺までやってきた。
この頃には所持金もほとんどが交通費として使われていたので、
1000円と少しくらいしか残ってなかった。
吉祥寺に来た理由もなかった。
ただ目に入ったからと言う理由だけだった。
吉祥寺はおしゃれな街というイメージが強いが、
その時の私にはただの「街」にしか見えず、
何の感情も抱けなかった。
駅前を歩いているとスーパーを見つけた。
何しろ私は丸一日半ろくなものを食べてなかったので、
そこでポテトチップス二袋とペットボトルのジュース一本を買い、
井の頭公園の方へと歩いて行った。
井の頭公園には割と多くの人がいた。
ベンチで寝ている人、犬の散歩をする人、
とにかく、午後の自由時間を楽しんでるようだった。
ベンチに腰掛け、ポテトチップを頬張る。
そういえば、手を洗っていなかったと思い出すが、
そんなことは気にせず、黙々と食べ続ける。
食べてる途中で、再び雨が降ってきた。
雨は頭上にあった木で遮られたが、
ぽつりぽつりと一滴、二滴と頭を濡らしていった。
吉祥寺で自首しようと思ったのは、座り込んでしばらく経ってからだった。
もう、なにを書けば良いのか分からないが、
迷惑と心配と不安と寂しさと恐怖と孤独と絶望、
そんな単語が頭の中をぐるぐると回っていたのだった。
立ち上がり、駅の方へと戻る。
学校帰りの小学生がやたらと多かった。
私は二日間も学校をずる休みしてしまった。
警察署は遠いから、交番に行こう。
交番に行く前に街の中を歩いてみる。
この頃になってようやく、吉祥値という街がすてきだと思えてきた。
なんだか、明るくて、どこか懐かしい雰囲気がした。
雨脚が強くなってきても、歩き続けた。
濡れても気にしていなかった。好奇心で歩き続けていた。
ようやく吉祥寺駅前の交番にたどり着いたのは、
夕方にさしかかろうとしていた、午後3時頃だった。
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海の日
そういえば、今日は海の日ですね。
海の日って、毎年二十何日とかなので、
今日16日ってのがなんだか新鮮。
でも、私の住んでる宮城県は海水浴場は一件しか開きません。
まだまだ震災の影響が残っていて、
安心して海につかれるのは数年後になりそうです。
早く海で何にも気にせず泳ぎたいな・・・・。
ちなみに宮城県民はお隣山形県に行くのが海水浴をする近道のようです。