出頭。
吉祥寺駅前。
ようやく私は警察に出頭しようとしていた。
交番の中に入ると、二人の警察官が座っていた。
「すみません」
「はい、どうしましたか?」
「はい、あの・・・・」
そういえば、こうやって交番に入るのは初めてだ。
どう説明すれば良いのだろうか・・・。
「その・・・。道を尋ねるとか、普通のことではなくて・・・」
その言葉を聞き、警察官は身構えた。
凶器でも持っているかと思ったのだろうか。
次の言葉を聞いたときには、警察官の表情が緩くなった。
「その、仙台から家出してきて、今、警察に来たんですけど・・・」
その時に予想していたのは、
めんどくさいそうな態度でことの経緯を聞きだし、
補導扱いされて強制的に送り返されるのかと思っていた。
しかし、予想に反して、丁寧な対応を取ってくれた。
「取りあえず、連絡先とか住所とか教えてくれる?」
警察官は紙を出してきた。
「あ、あとその前に変なものとかは持ってないよね?」
「あぁ、いや、持ってないです」
「ちょっと中身見させてもらうよ」
とにかく荷物が多かった。怪しまれるのは無理もない。
「うわ、いっぱいあるなぁ、そして重いね」
「まぁ、色々と準備してきたので・・・」
「ちょっと裏に来て一緒にチェックしてくれる?」
私は交番の中のロッカールームのようなところに通された。
荷物の多さに警察官の人たちは圧倒されていたようだった。
「良くこんなに持って歩いたなぁ」
「まぁ、途中までは自転車だったのですが・・・」
「へー。仙台からどこまで?」
「郡山です」
「よくそんなに自転車こいできたねぇ」
「行動力だけはあるので・・・」
「でもお父さんお母さんは心配してるぞ」
「・・・ですよね。すみません」
どうやら話は予想より大きなことになっていたようだ。
捜索願を出すと、その人物の特徴は警察が全て把握することになり、
警察を通して実質、全国指名手配のような形として扱われるらしい。
私は行方不明者として捜索されていたようだ。
私の場合は途中で「福島にいる」と連絡したため、
福島県警を中心に行方不明として捜査されていたらしい。
「とにかく、向こうには連絡着いたから」
「そうですか・・・」
「ここじゃ扱われないから、これから武蔵野署まで来てもらうからね」
「分かりました」
いわゆる、護送なのだろうか。
しばらくするとパトカーが来た。
「じゃあ、お前ついて行け」
「ウッス、了解です」
私は一人の若い警察官とともにパトカーに乗り込んだ。
その警察官は大阪出身で、配属されてからまだ8ヶ月らしい。
意外なことにも、その警察官とは話が弾んだ。
話したことは他愛もなかったが、
久々に他人と長い間話ができた。
なんだかそれが、嬉しかった。
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昆布
最近昆布にハマっています。
酢昆布から佃煮まで。
ありとあらゆる食べ方で昆布を食べています。
実は、遺伝の法則から来て、
私ははげてしまうようなのです。
そのため、海草類を頻繁に食すようにしてます。
まぁ、はげたらはげたで仕方が無いのですが、
できる限りあがき続けたいと思います。
髪の毛も個性のうちだし。
酢昆布から佃煮まで。
ありとあらゆる食べ方で昆布を食べています。
実は、遺伝の法則から来て、
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そのため、海草類を頻繁に食すようにしてます。
まぁ、はげたらはげたで仕方が無いのですが、
できる限りあがき続けたいと思います。
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